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小柴昌俊科学教育賞・第一次審査通過のご報告
保護者各位
ななつぼしでは、2004年の秋「小柴昌俊科学教育賞(第1回)」に「科学の蕾プロジェクト」と題して応募しました。
この賞は、「児童・生徒の基礎科学への興味と関心を高めるため、新しい発想と工夫に満ちた理科教育プログラムを開発・実践し、理科教育に関し著しい教育効果を上げた団体及び個人」を表彰・助成するために創設された賞です。募集したのは、平成基礎科学財団、これは、2002年ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんが理事長を務める財団です。
ななつぼし27年の実践の長さと、幼児から中学生までの一貫した理科教育の取り組みと指導効果をまとめて応募しました。2005年1月8日に第一次審査通過の通知を戴きました(この時点では、どれくらいの応募の中から選ばれたのかは、まだ公表されていませんでした。最終発表で知ったのですが、全応募数78件のうち、第一次通過は10件で、ななつぼしもその1件でした)。
2005年2月5日(土)に、第二次審査が行われました。これは審査員の先生がななつぼしに来られて、直接、実験指導プログラムの内容・様子を現場調査するというものでした。
「何歳の子供達を対象に、どんな実験をしようか」と色々考えた末、ななつぼしらしく、「就学前の年長児から小学3年生まで20人を対象に、『水に入れたら?』の実験」に決めました。
「水にとけるというのはどういうことか」「はやくとかすにはどんな方法があるか」「さとう、塩、砂、紅茶の葉、パン粉、絵の具、インスタントコーヒーの粉、食紅、あおのり、クーピーペンシルの粉の10種類の中で水にとけるのはどれ、とけないのはどれ」といったことについて、ひとりひとりが予想を立てながらの授業を、2時間ほど審査員の先生に見て戴きました。
【審査委員長は数学者の秋山仁さんで、ななつぼしに来られた審査員は、和田一郎さん(東海大学教育開発研究所教授)でした】
1月8日に、思いがけない第一次審査通過のお知らせを受けてから、2月5日の第二次審査までのおよそ1ヶ月は、中学・高校・大学受験の追込み指導、新学期の準備で忙しい時期と重なり、その合間を縫っての実験準備となり、大変でした。スタッフの協力を得ながら、精いっぱい努力しました。ちなみに、受験生11名は、全員がそれぞれの第一志望校に合格されました!
第二次審査の当日は、20名の子供達が活発に積極的に実験に取り組み、意見発表も多く、盛り上がった2時間でした。審査員の先生の「幼児までを対象にした科学教室の応募は、全国でななつぼし一件だけでした。小さなお子さんが、本当に2時間も集中して実験に取り組めるのか、見るまでは半信半疑でしたが、皆すごいですね。」のお言葉に、「もしかしたら…第二次審査も通過するかな…私の27年間の仕事の集大成になるかもしれないな…」と、わくわくドキドキしながら結果発表を待ちました。
平成17年3月10日、残念ながら第二次審査は通過しなかった旨のお知らせが届きました。文面には、選考委員会からの短いコメントが添えられていました。
※選考委員会からのコメント:
幼児教育の重要性を強調され、かつ長年にわたり活動を展開し続けている点は、大いに評価されました。しかし、競合する活動が多く応募されている中で、貴女からの申請は、誠に残念ながら、最終的には第二次審査を通過しませんでした。今後の益々のご活躍を期待いたしております。
若者達に基礎科学の重要性を認識していただき、その面白さを伝える教育活動を、これからも継続して実践していただきますようお願い申し上げます。
あらためて、2月5日第二次審査の土曜日夕方に、子供達を実験に参加させて下さったり、数年間分のかんさつノートや実験のプリントを綴じたファイルをご提供して下さった保護者の方々に感謝いたします。今後とも、ご協力・ご支援のほど、宜しくお願い致します。
最後に、参考のために、第二次審査を通過し、表彰された4件をご紹介させて戴きます。詳しくは財団のホームページ(※2017年3月末での解散に伴い、閉鎖されました)をご覧ください。
- 「ワラジムシを用いた創造性・主体性教育」
- 「児童の基礎科学への関心を高める科学教室指導プログラム」
- 「自律的学習力育成と基礎学力向上プログラム」
- 「光と風と僕たちがはこぶ、ブロードバンド」
山田登喜